2010年9月のうた(1)の御題について

「族人<うからびと>」の御題は万葉集1682(巻九)柿本人麻呂歌集所収
「とこしへに夏冬行けや裘扇放たぬ山に住む人」

「仙人の形を詠む」との注釈のあるこの歌、手持ちの版の脚注によれば、仙人の絵姿に添えられた歌なのだそうです。口語訳すれば、「永遠に夏と冬とが一緒に並んで経過するというのか。毛皮の衣と扇を離さない山に住む人よ。」といったところでしょうか。

そんなこの歌によせて、「この世ならぬ人たち」のうたを書いてみました。

「夕暮れ」の御題は与謝蕪村「山は暮れて野はたそがれのすすきかな」

いつか、野原一面のすすきの穂波の夕映えを見てみたいものです。