2010年9月のうた(2)の御題について

「里雲」の御題は万葉集3515(巻十四)東歌
「我(あ)が面の忘れむ時(しだ)は国溢(はふ)り嶺に立つ雲を見つつ偲はせ」

旅行く人に「忘れないで」と祈るこの歌には、自ずとその無事を祈る思いが込められているように感じられます。昔の人は旅の道々、まじないのために野の草に結び目をつけ、またあとに残る人は、願いをかけて草摘みをしたのだそうです。

「追憶」の御題は山頭火「踏みわける萩よすすきよ」

さすらいの俳人・山頭火の句から、ちょっと後悔の混ざった秋のうたを書いてみました。